イノベーション交流会 実証活動報告
点検ロボットによる橋梁点検業務の高度化・省力化
■ 高速道路運営・保全管理上の課題
鈑桁橋下面の点検作業において、現状は橋梁点検車両等を活用した近接目視を中心に行われており、お客さまへの影響、安全性、効率性の観点からロボットによる画像取得技術の導入が必要。
■ 実証技術の概要
ロボットやAIを活用した画像取得、解析及び3次元形状と撮像データ等点検データの統合により現地点検から判定までの一連業務高度化に寄与できるか検証する。
■ 現場実証の結果
【① ロボットによる構造物の要点箇所を網羅したデータの取得】
人やドローンではアクセス困難な橋梁桁内の高所・狭隘空間において、ロボットが正確な位置情報と併せて画像や点群を取得して記録できる事を確認した。
による床版の撮影
【② 取得画像からの変状抽出】
ひび割れの検出、および位置とサイズの記録作業を自動で実施し、検出されたひび割れは、0.1mmごとに色分けして表示できることを確認した。
成果品のビューア
幅ごとの色分け表示 (左写真の拡大 )
【③ 3次元形状と撮像データの統合検証】
ひび割れ検出済の画像を位置情報に基づき3次元点群に自動で重畳し、データ整理の効率化を実現した。3次元形状の取得は3Dレーザースキャナとフォトグラメトリ(凸版印刷株式会社の技術)の両方のパターンを実施し、寸法計測・図面作成が可能なことを確認した。
桁内の 3次元形状
支承周辺の 3次元形状 (凸版印刷 )
■ まとめ
ロボットによる画像取得・3次元位置情報をキーとしたデータ管理を活用することで、点検業務の効率化・高度化が期待できる。(通行規制によるお客さま影響の最小化、狭小部の網羅的なデータ取得、データ整理作業の効率化等)
■ 今後の取組み予定
網羅的な画像取得・3次元管理に向けた手法の一つとして期待できるため、業務適用の可能性の検証を行う。
■ 先進技術保有企業
株式会社イクシス、凸版印刷株式会社
■ 実証に関する問合せ窓口
保全企画本部 i-MOVEMENT推進室